頑張っている女性達の紹介

日々の鍛錬を怠らないプロのピアニスト

岩崎 文子

大好きなピアノとボランティアを一体化させて、幸せを感じながら充実した日々を過ごす。

活動内容紹介

≪萌芽期≫
出身は東京都練馬区江古田。
両親の勧めで3歳からピアノレッスンを始めました。
中学~高校は女子高に通ったため、かけがえのない友達を作るために大学は希望して共学校を選択しました。この時期だけピアノから少し距離を置くことになりました。
文子さんはこれがかえってピアノが好きなことに気づくきっかけになったと回想します。

≪御代田での活動≫
結婚を機に御代田へ移住しました。
文子さんは町の文化啓発事業への貢献を始めました。
エコールみよたは平成15年4月にオープンしました。当時の教育委員会生涯学習担当は新しいイベントホールと新規購入したピアノの名器「スタインウェイ」に相応しい事業展開をしたいとの思いから「エコール奏でたい」事業を創設しました。この事業はいろいろな事情でピアノを習う機会に恵まれなかった方々の夢をかなえる事業でもあります。レッスン講師を募集したところすぐに手を挙げてくれた一人が文子さんです。
爾来23年、毎月第2・4金曜日の午前中、文子さんはずっと「奏でたい」の講師を続けています。一番短い人で4年、10年以上続けている生徒もいます。レッスンを受ける面々は文子さんと共有する時間とピアノを習うことの楽しさも相俟って至福の時を過ごしているのではないでしょうか。
このほか、あつもりミュージックメイツの一員としてエコールみよた主催事業への協力も惜しみません。「ピアノリレー」は年一回3月の第1日曜日の午前中に実施しており、主に町内のピアノ教室の生徒が参加しています。「サロンコンサート」は毎年4月~10月の第4土曜日を基本に16:00~16:30の間に開催しています。
これらの文化活動が町民に喜ばれる息の長い事業となっている背景には、文子さんをはじめとするピアノ講師の方々の献身的な協力があったからに違いありません。

≪プロ演奏家として≫
軽井沢プリンスホテルでのディナー演奏は、実に39年間続いています。過去には月15本もの披露宴の演奏をこなしていた時期もあったそうです。プリンスホテルの出演者選定は音楽プロダクションを通して行われます。文子さんは厳しいプロの世界で勝ち抜く才能と努力を備えています。
文子さんとフルート奏者が共演する「小さな街のコンサート」も今年6月で20年を迎えました。

≪向上心≫
3年ほど前、文子さんの最愛のご主人が早逝されました。しかし、文子さんは悲しみを乗り越えて毎日午前中の練習、月二回群馬県高崎市へ通ってレッスン受ける鍛錬を継続しています。弛まぬ向上心がプロピアニスト岩崎文子を支えているのです。
「これからもピアノ中心の生活です。」「まだまだ、弾きたい曲がたくさんあります。」文子さんの言葉は穏やかですが、その奥底に熱い志(こころざし)を感じた今回の取材でした。