頑張っている女性達の紹介

東御市の老舗のお菓子屋さんでの接客を通し、成長を続けている

市村 奏帆

他人と話せなかった自分を克服し、カフェの経営を夢見る

≪幼少~高校時代 ―いくつかの出会いで変わり始めたー≫

御代田生まれ、御代田育ち。
子どもの頃から無口でコミュニケーションが苦手な女の子でした。自分でもどうして良いかわからず悩んでいました。
「何で話せないんだろう。」中学2年生まで煩悶する日々が続きました。変化し始めたのは中学3年生の時、同じクラスの女子に声をかけられ、いろいろと誘われるようになってから毎日が楽しく、気持ちが前に出るようになりました。
高校1年の時、友人とのトラブルがあり落ち込んでしましました。勉強意欲も萎え、相談室に通いましたが結局、通信制の高校へ転向しました。
中山栄子さんと出会ったのは通信制高校3年の4月から・・・ 御代田町社会福祉協議会職員からの紹介でお付き合いが始まりした。長野県が行う信州パーソナル・サポート事業の学習支援推進員であった栄子さんは、学習はもとより生活リズムを確立するために「散歩、傾聴、その日にやりたいことをやる」などの目標を掲げて奏帆さんにぴったりと寄り添いました。
「高等学校卒業程度認定試験」は通信制高校在学中、19歳で合格しました。
「高等学校卒業程度認定試験」とは様々な理由で高等学校を卒業できなかった方たちの学習評価を適切に評価し、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があるかどうかを認定するための文部科学省が年2回実施する試験です。奏帆さんは3回目の挑戦で認定試験に合格しました。認定試験では高等学校で修得した単位により試験科目が免除されます。
認定試験や単位取得証明書取得のために奏帆さんのお母さんは長野・松本など何回も足を運んでくれました。通信制高校の担任の先生にもご尽力いただきました。
奏帆さんの認定試験合格の背景には、栄子さんをはじめ周囲の皆さんの協力があったことを忘れてはなりません。

≪専門学校時代 ―図書館活動を通じて成長するー≫

認定試験に合格したため、上田情報ビジネス専門学校を受験、これも見事合格して進学が決まりしました。
専門学校は個性に合わせる指導を行う方針の2年生の学校で、奏帆さんはクラスメイトとの交流など大人の付き合いを経験し社会性を身に着けていきました。奏帆さんにとって図書館との出会いは一つのターニングポイントでした。
高校時代からもっぱら御代田町図書館で学習していた奏帆さんはある日、図書館職員から声をかけられ、本の整理から始まり、いろいろなお仕事を頼まれるようになりました。図書館イベントの準備で絵を描いたことで自信をつけ、パネルシアターにも出演しました。このほか、図書館職員との日々の会話やお茶タイムなど図書館での活動、職員との交流は奏帆さんにとってかけがえのない想い出になっています。
栄子さんは図書館職員と交流するようになってから奏帆さんは大きく成長したと述懐しています。

≪お菓子屋さんに就職 ―今、がんばっている―≫

専門学校での就活の結果、東御市田中の老舗お菓子屋さんに就職が決まりました。去年(2025年)からは正職員の販売担当になり、責任も重くなりました。接客ができないと思い込んでいましたが、今、自分は接客に向いていると思い始めているようです。先輩を見習いながら自己研鑽する毎日ですが、仕事には失敗はつきものです。落ち込んでしまうこともありましたが、菓子店の社長はそんな奏帆さんを大きな心で受け止めてくれます。
寛大な経営者のもと、「お客さんが喜んでくれると達成感がある。」と奏帆さんは今日も元気に仕事に励んでいます。そして稼いだ月々の給料の一部は家計の足しにと、お母さんに渡しています。

≪将来の夢 ―カフェを持ちたいー≫

軽井沢町に奏帆さんの叔母さんのカフェがあります。ゆくゆくはそのお店をお母さんが受け継ぎ、奏帆さんと二人で経営出来たら・・・ 奏帆さんの夢は今、どんどん広がり始めています。

後記

嫌なことをしゃべることはなかなかできません。今回、奏帆さんは良いことも悪いことも語ってくれました。痛みと向き合える人は必ず成功します。取材させていただいた私も今日から奏帆さんの応援団です。