ハートピアみよたデイサービスは、70~100歳代の方がご利用下さっています。
皆さん、若い頃と違う身体の不調や、忘れっぽくなってしまったことに、切ない思いをしている。
そんなことを、毎日接する中で、言葉に感じます。
ある日、頂きもののかぼちゃをおやつにしようと、準備をしていました。
煮物上手な90代の女性の利用者さんに教えてもらおうと、声をかけました。
でも、そのかぼちゃを見て「やだ」といわれました(笑)
理由は、美味しくなさそうだから。
でも、物のない時代に生きてきた利用者さんは、優しくアドバイスしてくれました。
自分で手を出さずに。
〇かぼちゃに砂糖と塩をまぶして置いておくこと。
〇かぼちゃから水が出るからそれで煮ること。
(今回は水分が少なそうだから少し水を加えた。)
〇お箸が通るくらい柔らかくなるまでは、なからの火で。
(なからって!?関東育ちの私には、ニュアンスがわからないけど
普段はだいたいって意味らしい。
このときは普通くらいって意味でした(笑))
〇柔らかくなったら弱火にして味を見て調える。
美味しくなさそうなかぼちゃが、ほくほくで美味しくなりました~!
さすがです!!
お礼を言うと「やった人が上手だからだよ。」って育て上手!
「いつも迷惑ばかりかけて、何の役にも立たない。こんなこと、誰でも知ってるよ。」
と言う利用者さん。
「そんなことないですよ!お年寄り、ひとりいなくなるって、図書館が一つなくなるくらいの経験と知識がなくなるってことって、聞いたことありますよ。
自分には当たり前って思ってることも、知らない人にはすごい宝物のようなこと。誰かの当たり前のことが、誰かを助けることもあるんですよ。」
そう伝えると、
「そんなこと言ってくれるのあんただけだわ。」って、恥ずかしそうに行ってしまいました。
おやつの時間に、皆さんが「美味しいかぼちゃだね~!」と言うと
その利用者さんは恥ずかしそうに、でも嬉しそうに下を向いていました。
一人の存在って、本当にすごいです。
一人の経験と知識は計り知れなくて、その人と全く同じ経験はできない。
だって、同じように感じることは不可能ですから。
それぞれのもって生まれた資質、そしてそれぞれの経験。
そんなお互いが出会うことで化学反応のような新しい何かが生まれます。
一人一人の「今」に寄り添いたい。
過去の辛いことも、未来の不安も消すことはできませんが、
せめてデイサービスで心地よく、楽しく過ごす時間となったらと思っています。